32年間知らなかった母の癌。
昨年、母が大きな手術をしました。人工股関節の再置換手術です。
母は25年前くらいに人工股関節の手術をしています。人工股関節には寿命というか耐用年数のようなものがあり、何年か前から、いつかは再手術をしないといけないことはわかっていましたが・・・母はずっと手術を拒んでいました。
でも、これからの人生を良くするための前向きな選択でした。
主治医の先生との手術の説明や問診のやりとりの中で、
母がかつて癌だったことを知りました。
私はびっくりして、椅子から落ちそうになりました^^;
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私が小学生だった頃、
母が胃の手術で2ヶ月半ほど入院していたことがありました。
父からは<胃潰瘍>だと聞いていました。
母も30年以上ずーっと、胃潰瘍だと思っていたそうです。
「あれ、胃がんだったらしいのよ。
お父さんずっと内緒にしてたから、聞いてびっくりしたわー」と、笑う母。
「あの頃はほんま大変やったなあ。寝れんかったわ。
長い人生には、まあ、いろんなことがあるもんやで」と、父も笑いながら。
父は当時、毎日のようにお寺や山にお参りに行っていたそうです。
父も母もあっけらかんと話していましたが
私は泣きそうでした。
私の子供時代のほとんどは、誰かが病気で入院していて。
実家は商売をしていたから、土日も夏休みもなくて。
家族でキャンプや遊園地に遊びに行く友達が
心の底からうらやましくて仕方ありませんでした。
そして、すごく、寂しかったです。
反抗期のど真ん中になった私は父や母を困らせてばかりで、
母にひどい態度をとることもしょっちゅうで、
「もっとお母さんを大事にしてくれ!」と
父にひどく怒られました。
あれは、そういうことだったのか・・・
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当時の父も母も、今の私よりもずっと若いのに、
大きなものを背負って生きていたんだな。
一人になるといろんな感情が溢れてきて
涙がボロボロ止まりませんでした。
かつての病気のことを笑って話せている光景は
32年前の父には夢のような眩しい未来なのかもしれない。
英語のプレゼントは<今、現在、存在している>という言葉。
そして、贈り物という意味も。
今、存在していることはプレゼントだなあ、と
じんわり暖かい気持ちになりました。
年齢ですかね。
涙もろくて困ります(*´ェ`*)