ミニマムで美しいタイムレスデザイン。北欧デザインと無印良品に共通しているもの

(カイ・フランクへの旅〜”フィンランドデザインの良心”の軌跡をめぐる)

北欧デザインはどうしてこんなに人を惹きつけるのだろうと「カイ・フランクへの旅〜”フィンランドデザインの良心”の軌跡をめぐる」を読みました。

この本の著者である小西亜希子さんは、20数年前、とあるインテリアショップで、今まで見たことのない鮮明なコバルトブルーのグラス(カイ・フランクがデザインした「カルティオのタンブラー」)との出会いがきっかけで、インテリアの仕事に足を踏み入れることになられたのだとか。彼女がデザインを学ぶ上での原風景は常に「カイ・フランク」にあったそうです。

この本を通してカイ・フランクのプロダクトへ込めた想いやその背景を知ったことで、北欧デザインに惹かれる理由が少しわかったような気がしました

「ティーマ」「カルティオ」をデザインしたカイ・フランク

カイ・フランクの名前にピンとこなくても、「Teema(ティーマ)」や「Kartio(カルティオ)」のテーブルウェアをご存知の方は多いと思います。これらはカイ・フランクの仕事を象徴する二大シリーズです。

「ティーマ(テーマの意)」は磁気のテーブルウェアシリーズ。「カルティオ(円錐の意)」はティーマに相応しいグラスとしてデザインされたグラスウェアシリーズです。

「食器は装飾的なものが素晴らしい」とされていた時代に、無駄な装飾を廃し、機能的で美しいテーブルウェアを数多く生み出して世界を驚かせたカイ・フランクが生涯を通じて模索したことは、狭い住環境でも収納しやすく、実用面での機能性を最大限に考慮し、さらに究極的に美しい形状の追求だったそうです。

一般家庭はもちろん飲食店や公共の場にもなじむもの

カイ・フランクがデザインしたテーブルウェアは、北欧の国際空港や美術館でも使われていて、飲食店や公共の場にも見かけました。

(食後の無造作なテーブルすらも美しく感じるティーマのカップアンドソーサーとカルディオのタンブラー @デンマークデザインミュージアム)

日常の暮らしに「機能美」という新たな概念を根付かせ、発表されたから50年以上の月日が流れてもデザインが色褪せることもない、ミニマムで美しいタイムレスタイムレスデザイン。
北欧デザインと無印良品に共通しているものだなあと感じます。

無印良品との共通点

(無印良品)

この本の中で、私がもっとも興味深いなと感じたのは、無印良品のプロダクトの開発とデザインに携わる深澤直人さんへのインタビューでした。

無印良品が支持されるようになったのは、バブルを経て世間が混沌としていて、見せかけだけのよくわからないものに意味を与えるような産業に、皆が疲弊している時期でした。 そういう時期に、あえて純粋にデザインを見つめていいものを作り、装飾や名前のないものにこそ価値があることを提案しようという、使命感や勇気が無印良品にはあった。 産業の環境はカイ・フランクの時代とは大きく異なっていましたが、社会に対する使命感をもってデザインをしていくという点では、時代を超えて共通するぶぶんがあったのではないかと思います。

深澤氏は、実在していないのに誰もが知っていたような気持ちになる、そんな”ちょうどいいもの”をデザインしたいと思ってやってこられたそうです。無印良品の名前がないけど良いもの、という考え方は、カイ・フランクがしてきたことと当然通ずるものなのだと思う、とも述べられていました。

マイクロコンシダレーション―細やかな配慮

深澤氏の考え方をもっと知りたいなと調べていくうちに、上海新旗艦店のオープンを記念したトークイベント「マイクロコンシダレーション―細やかな配慮」の記事を目にしました。

キーワードのひとつとして、「MUJI is enough」という言葉があります。これは「MUJIでいい」という言葉です。例えば、「こういうものが欲しい」とイメージを持って、あちこちの店を歩いたけれども、欲しいものが見つからなかった。最後にMUJIの店に行ってみたら、「こんなものがあったんだ。思った通りのものがあった」という時に、「これでいいじゃないか」という思いを持つことです。

引用元:https://www.muji.com/jp/flagship/huaihai755/archive/fukazawa.html

何か欲しいものがある時「MUJIでいい」という言葉を使われたことがあるのではと思います。私もよく「MUJIでいい」と言っています。

ブランドが掲げるキーワードが消費者の無意識にあるものと一致しているって、すごいことだと思いました。

さいごに

(ソファーの下に隠れてます。あれ?拗ねてる?笑)

カイ・フランクへの旅」についての記事を書こうと思っていたのですが、途中から深澤直人氏のことをもっと知りたくなって動画を見たり、あっちこっち脱線してしまい、この記事を書くのに時間かかってしまいました^^;

ですが、あちこち脱線した中で新しく出会えた知識もあり、寄り道も楽しいことだと思います。

時代が変わっても色褪せることのない、ミニマムで美しいタイムレスデザイン。無印良品と北欧デザインに共通して感じるのは、製品が発する佇まいや使い心地の良さ以外にも、その背景にある真摯な想いやストーリーでした。そして、そういう部分に無意識的に惹かれているのだなーっと思いました(*´∀`*)

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